機能とスペック

写真を始めて最初のうちは

カメラの機能やスペックはあまり気にしない人が多いでしょう。

でも・・・

そのうちに欲が出てきます。

操作方法が不満だとか、発色が気に入らないとか

AFが遅いとか、高感度画質に不満があるとか

もう少し上級者になると

ダイナミックレンジが狭いとか、シャッタータイムラグが遅いとか

ファインダーの視野率が100%じゃなきゃダメとか

いろいろと注文が増えていきます。




はっきり言いますね・・・

撮影の基本的な技術があれば

今のカメラはほとんど気にしなくても良いでしょう。


とは言っても

これは一眼レフカメラに関してのこと。

ミラーレス一眼に関してはまたちょっと別物と思ってください^^



では本題に入りますね。


●操作方法の違い


よくメーカー毎の操作方法の違いが話題になりますが、

キャノンとニコンでは根本的に考え方が違います。

一般的にはキャノンのほうがわかりやすいという方が多いと思います。今も昔も・・・


これは・・・

私自身もアマチュア時代に経験しています。

私はもともとキヤノン党でした。

シニアの方なら・・・

「F-1」というフィルム一眼レフカメラをご存知の方も多いでしょう。

これが私の愛機でした。

「旧型F-1」と「ニューF-1」それぞれ2台ずつ使っていました。


アマチュア時代いろんなカメラを使いましたが、

ニコンほど使いにくいカメラはありませんでした^^!


ある時から、この使いにくいニコンカメラがキャノンよりも

ずっと使いやすいカメラに変身
したのです。


カメラが変わったのではなく、私自身が変化したのです。


簡単に言うと、

初心者のうちはキャノン

写真がわかってくると・・・

ニコンのほうが使い勝手がよくなってきたのです。



どういうことかと申しますと、

ある程度状況に応じて予測し、カメラを操作できるようになると

ニコンのほうが手っ取り早いのです。

キャノンは「余計なお世話」という部分が多いのですね^^。



この違いは何か?


当時プロ報道関係ならニコンという時代でした。

そこへキャノンが割って入ろうとして投入した機種が「F-1」だったのです。

設計の基本コンセプトが違っていました。

ニコンは「あくまでもプロを念頭に」



キャノンは「誰でも使えるカメラ」を目指していたメーカー


考え方の違いが色濃く出ていたのです。


●「発色」に関する違い


これもキャノンがいいとおっしゃる方が多いですね。


でも・・・

今どきのカメラはRAW撮影がデフォルトみたいになっていますので、

後で何とでもなります。


jpeg撮って出しを重視する人は

私から見れば

作品を「創らない」「創れない」人ですね^^!



作品を創るつもりならRAW撮影して、とことん納得できるまでいじることです。

私は、撮影の時スタンダード(標準の発色)で設定していますが

結局はほとんどの場合、

スタンダード(標準の発色)のままで作品を仕上げています。

スタンダード(標準の発色)派のプロは多いですよ。


ニコンの発色は自然「ナチュラル」に近く、

キャノンの発色は記憶色「多くの人が好ましく感じる色」・・・

をめざしているように思います。




記憶色について・・・

記憶色の例としてよく言われるのが次の 3つ。

まず、桜(ソメイヨシノ)の花の色。
多くの人が淡いピンクだと思っているけど、
実際はほとんど白。そのため、写真に撮ると白く写る。
しかし、これだとほとんどの人が納得しないので、
印刷物に載せるときは意図的にピンクを強くすることが多い。

晴天の青い空。日本では、
スッキリとした秋晴れでも水色に近い薄めの青だ。
しかし、やはり印刷するときは実際よりも青色を強調することが多い。

人間の肌色。もちろん個人差はあるものの、
実際の色は土のようにくすんだ黄土色で、
そのままだとすごく不健康に見えてしまう。
そのため、やはり実際より健康的な色に印刷することが多い。



ニコンでアイドル撮っているプロはたくさんいますよ。


発色の好みは、まさに「十人十色」

ならば・・・

せめてデフォルトは

自然に近い発色にしておいたほうが無難ではないでしょうか。


最後の手段としてRAW現像があると思います。



●高感度画質


画質に影響するノイズには

「輝度ノイズ」と「カラーノイズ」があります。


「輝度ノイズ」は画面がザラザラする。

「カラーノイズ」は画面上に変な色(赤、緑、青)が出る。


画面がザラザラするものを輝度ノイズ、

変な色(偽色)がでるものをカラーノイズ
といいます。

この輝度ノイズとカラーノイズ・・・

高感度にするとどちらか片方が出るという訳ではなく、一緒に出てきます。


このノイズの軽減も、メーカによって考え方が違います。


ニコンはカラーノイズ重視

キャノンは輝度ノイズ重視



の傾向があるように思います。


どちらが良いのかは最終的にはユーザーの考え方によるのですが、


私はニコン派ですね。


なぜかというと・・・


変な色(偽色)がでるカラーノイズを重視して軽減するほうが

写真的に破綻が少ないと思います。


画面がザラザラする輝度ノイズは

「必要悪」としての価値がある
のです。

というのは・・・


フィルム時代には画像に迫力を持たせるために、

わざとフィルム現像時に

増感現像をして画像を荒らしたりしました。

むしろ荒れた画像
(ザラザラ感のある画質)には迫力やスゴミが感じられて、

インパクトの強い写真になります。

最近のカメラは高感度に強くなった分、画像がきれいすぎて迫力が出にくいですね。

きれいなものはよりきれいに・・・

でも、きれいに写すだけが人を惹きつける写真とは限りませんよ。



・・・ということなのです。

ですから、画面がザラザラする輝度ノイズは

場合によっては歓迎すべきもの
になりうるのです。


●その他スペック


「ダイナミックレンジが狭い」といかにもベテランらしい発言をされる方が

ときどきいらっしゃいますが、

デジタル写真の黎明期にはそんなこともよく言われましたが、

最近のカメラはまったく気にする必要はありません。

「ダイナミックレンジが狭い」のではなく、撮影方法に問題があるのでしょう。



「ファインダーの視野率が100%」を重視する人は大変多くいらっしゃいますね。

私もその一人ですが、

かといって、絶対的なスペックではないでしょう。

フィルム時代にペンタックスの6×7中判カメラをよく仕事で使っていましたが、

視野率なんて90%そこそこしかありませんでした。


先輩カメラマンに言われたことは

「印刷原稿の写真は余分に写っていたほうがいい。

写ってないと撮りなおすことになるけど、

余分なものはトリミングすればいいんだ!」


な~るほど!!


だけど・・・作品作りの基本は「ノートリミング」ですよ!




6×7中判フィルムカメラで撮影。



「シャッタータイムラグが遅い」を実感できるほどの

高度な撮影テクニックをお持ちのビギナーの方は少ないでしょうね。


昔・・・報道カメラマンの方が

ニコンF3で撮れた写真がF4で撮れなくなった・・・

と嘆いていました。


F4になって初めてプロ機にオートフォーカス機構が組み込まれた影響で

ほんのわずかシャッタータイムラグが遅くなったためだそうです。


究極のシャッタータイムラグの少ないカメラは

ミラーレスカメラです。

でも、デジタルカメラのミラーレスはちょっと問題。

ミラーの上下運動がない分シャッタータイムラグが少ないのですが、

デジタルは電子制御機構なので、

ファインダー内表示にタイムラグが生じてしまいます。



ですので・・・

今でもフィルムカメラの名機中の名機・・・





ライカのレンジファインダーカメラが

究極のシャッタータイムラグの少ないカメラ

だと思います。

報道カメラマン御用達のニコンF3でも

太刀打ちできないシャッタータイムラグの少なさです。


そういう意味では

スナップ写真にはライカが最適なカメラ
です。

しかし・・・

フィルムライカ

究極の使い勝手の悪いカメラでもあります。

もちろんこれは、初心者にとっては

・・・という注釈が入ります。


前述したようにキャノンとは真逆の

「余計なお世話」という部分が皆無なので

むしろ達人にはこの上ない道具になりえるのです。



私も一時、ライカにぞっこんの時期がありました^^!


銀塩ライカカメラで撮影した作品はこちらでご覧くださいね^^!



けっきょくのところ・・・


はっきり言いますね・・・

基本的な「撮影技術」と「感性」があれば・・・

最新型カメラを使う限り

また、特殊な使い方、状況でない限り、

ほとんどなにも気にしなくても良い写真が撮れるでしょう。

さらに言うと、

最新機種を使って撮影する場合、機種によっては

「jpeg撮って出し」も可能になってきましたね♪


あっそうだ!

皆さん最も関心のある機能、スペックは

AF性能ですよね^^

これを語るには長くなりますので

別ページで・・・







「技術」と「創造」



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